純愛小説家
「私って、バカだね…。時折感じる視線も。河合クンの誠実さも。信じられなかった…」
「…じゃあ…。キスしたら、聞けるのかな…」
「えっ?」
「あの頃聞けなかった。三嶋の、告白…」


言いながら、三嶋との距離を縮めて。


「河合ク、ン…」


そっとその頬に触れると。


「……───」


三嶋が目を閉じるのを確認しながら、静かに、唇を重ねた。

流されるんじゃなく。
ちゃんと、始めるために…。




< 53 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop