純愛小説家
藍田に俺たちのことは話してなかったけど。


「そっ!ウチで連載もってくれることになってさ」
「ほんと!?絶対買うね!」
「サンキュー、三嶋」


俺が小説を書いてるってことは、解禁した、伝えてあって。


「あっ。っつーか。絶対知り合いとかに漏らすなよ、三嶋~」
「えっ?」
「宥のこと」
「あぁ。うん、大丈夫。こう見えて、口は堅いから」


打ち合わせも、このカフェですることになった。


「じゃあ。邪魔者は消えるね~」


基本。
顔には出ないタイプだけど…。


「まぁ、釘ささなくても三嶋は大丈夫か。けど。意外だったな~。宥が自分から正体明かすなんて」
「えっ?あぁ…」


なんだろう。
顔が熱いような気がして…。


「なんか。うまくごまかしきれなかったんだ…」


妙な照れ、みたいな物もあった。

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