純愛小説家
「待って、河合クン。コーヒー零れ……」


その、時間がないという焦燥感も。
俺の気持ちを加速させているんだろう。


「あんまり。俺を煽るなよ…」
「え、煽る…って?」
「…………」
「河合クン…?」


そんな俺に比べて。
三嶋の気持ちは、どのくらい、俺に傾いているんだろう…?


「私、なんか変なことし…」
「もういい。黙って…」
「───……」


まだ、手の届く距離。
キスも出来るし。
触れられる。


─…大丈夫。


まだ、三嶋は俺の腕の中にいる…。

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