純愛小説家
「部屋きまったら、連絡する」
『お前、本気か?』
「地元だし」
『そ、だけど…。なんで急に…』
「…何となく」
『何となくって…。ってか、実家は?』
「…いくつだと思ってんだよ?」
『にじゅう、なな…?』


27年間。
俺が記憶してる限りで、物事をこんなふうに衝動的に決めたことは1度もなかった。

そんな俺を。
いとも簡単に、動かしてしまった。


『部屋、探しとこうか?』
「いや、大丈夫。サンキューな」


三嶋、ひかり…。


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