純愛小説家
藍田のクラスの出し物は、お化け屋敷。


「みんなしっかり、カノジョとまわる約束しててさ…」


それぞれ時間を決めての役割分担。


「もうこれ逃したら終わりなんだって!チャンスねんだって!」


俺のクラスは焼き物屋で、藍田が抜けたい正にその時間。
俺はちょうど休憩時間だった。


「…わかった」
「マジで!?やーもう、さすが宥!神だわ、神!!」
「高くつくぞー」
「わかってる!サンキュ、宥!」


自分のフリータイムに、わざわざ他のクラスの手伝いなんて。


「あれ、河合?なんでお前?ここ裏方だぞ」
「藍田の代わり…。三嶋は…?」
「マジで?誰か代わってくれー、叫んでたけど。被害者お前か。三嶋はあっち」
「サンキュ」


相手が三嶋じゃなかったら受けてなかったし。


「俺…。何したらいい?」
「あっ。藍田クン遅い…って…河合、クン…!?」


その理由も。


「え、なんで…?藍田クン、は?」
「…ちょっと、ヤボ用?」
「そう、なんだ…」

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