純愛小説家
例えばあの頃。
告白していたとしても。

あの夜。
思いとどまって、気持ちを抑えてたとしても。

後悔はあったんだろう。

きっと…。

後悔しない為にとった、行動だったとしても…。


「飲まないの…?」


─カラン…


グラスの氷が溶け出して、三嶋が俺に言葉をかける。

薄くなっちゃうよ、…と。

三嶋の手には、ミルクたっぷりめの、コーヒーが入ったグラス。


「ひかりの。ひと口飲まして」
「えっ?」
「ミルクたっぷりバージョン」
「…いいけど」

< 87 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop