純愛小説家
普段、飲むことのないこの味を。


「おいしい?」
「うーん…」


一生、忘れることはないだろう、思った。

口に広がる。
三嶋が、好きな味…。


「俺はやっぱり。ブラックかな」
「あっ、そう」


そしていつか。
このミルクたっぷりの、コーヒーのことを思い出した時。


「キライじゃ、ないけど」


後悔なんてしてない。
そんな自分が、


「そう?」
「ん」


いてくれたら、とも…。





< 88 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop