純愛小説家
これ以上ないくらいのその表情(カオ)は、もちろん俺に向けられてるものなんだろうけど。

【河合 宥】ではなく、
【矢野 伊月】に向けられたもの。

微妙、微妙、微妙が俺の中で続く。

きっと。
どこかでトラウマになっていたせいなんだろう。

俺に近づいてくる女は、ベストセラー作家。
【矢野 伊月】がお目当てだったこと…。

それを利用して、抱いていたつもりでいたけど。
たった一度だけの関係。
使い捨てのように、冷たくしていたのは。
それに対する仕返しのようなものだったのかもしれない。

意外と…っていうか、かなり、女々しいよな…。

そんな自分に嫌気がさす。

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