閃光は空を駆けて
ぴかり、と窓の外が光る。


数秒遅れて、雷鳴。


この夏初めての雷雨。


人がすくないせいか思ったより作業がはかどって、レジュメはほとんど完成していた。


でも、土砂降りの中帰るわけにもいかない。


久しぶりに、研究内容とは無関係のものが読みたくなって、昔読んだ本を選んでみた。


気づけばそれは、彼も読んでいた本で。


未練なのか、感傷なのか。


自分の行動に苦笑するしかない。


ぺら、とページをめくれば、当時の自分の姿がダブって見えるような気さえした。


半分ほど読み勧めたところで、頭上の蛍光灯がちらついた。


相変わらず、外は大荒れ。


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