『猫型男子の恋模様』
たまくんと濁った瞳
私は、ふわふわのミルクティーブラウンの髪を揺らしながら、軽快に歩いていく。
いつもと変わらない青空に。
いつもと変わらない日常なんだけど。
最近の私は、うきうき、るんるんと心を弾ませていた。
「おっはよー」
「希々ちゃんおはよ。最近楽しそうだねー」
「なんかいいことでもあったの?」
教室に入ると、クラスの男子にそう聞かれる。
「えへへ、秘密」
私は、賑やかなこのクラスが好き。
だから学校に来るのは、前から楽しかったけど、最近はもっと楽しい。
王子を通して、たまくんと話してから数日。
二人でも結構話せるようになった。
それが嬉しくて、毎日学校に来るのが楽しみだ。
「あ・・・たまくん、また寝てる・・・」
私は机の横にスクールバッグを掛けると、たまくんの前の席に座った。
ずっとずっと憧れていた、たまくんの前の席だ。
ちょっと、どきどきする。
もし、たまくんが後ろの席だったら、授業に集中できなかっただろうなとか思いつつ、ちらりとたまくんを見る。