ジャスティス
善二と由良が喋っていると、玄関から善一が入ってきた。



「善二、行くから早く来い」



双子の弟、善二にそう言うと二人は玄関から出ていった。







二人が出てから15分位が経った頃、門が開き二台の車が入ってきた。

一台は由良が所有する善一が乗る車。

もう一台は無断駐車を繰り返す男の車だ。

恐らく、善二がその車を運転しているのだろう。

車は屋敷の左側に向かい、車庫の中に入っていった。

車から降りる音が聞こえ、暫くすると二人は帰ってきた。



「時間に間に合いましたね」



「お帰りなさい」



そう言って微笑んだ善一に由良も微笑み返した。



「由良ちゃん、あの車どうするの?」



善二は車の鍵についたキーホルダーのフックを指に絡ませ、くるくると回しながら聞いた。



「うん、処分するつもり。廃車にしちゃうから、車を取りに来るはずだからそのままにしておこう」


 
由良は、ふふっと微笑み、今からやるべきことを二人に話した。
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