ジャスティス
不気味に微笑んだわけでもなかったが、直感が、そう思わせたのだ。
「あなたは、少々悪ふざけが過ぎましたね。由良様に手を触れるとは……」
そう言うと善一は男の足元にしゃがみこんだ。
男はロープを掴むことに精一杯で下を見る余裕などなかったが少しもの抵抗か、善一を遠ざけようと足を動かして蹴ろうと必死になった。
だが、そんなことは何の悪足掻きか。
何の前触れもなく、右足の親指に激痛が走った。
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
耳を塞ぎたくなるような大声がプールの周りに響いた。
男は右手を離し左手首だけで支えられている状態になりながらもジタバタと足を動かしながら叫び続けた。
親指を半分ほど、切り取られた足からはパタパタと血が垂れて散らばる。
暴れる足から流れ出る血液はアクリル板の上やプールの中へと落ちてゆく。
男の血に反応したピラニア達は一気に集まり水飛沫をあげて群がった。
まだ落ちてこない獲物に早くありつきたいと言わんばかりに仲間の体を乗り上げて水面から飛び出る威勢のいいのもいる。
善一が既に体から離された一部を爪先でプールに小突き落とした途端、ピラニア達は奪い合うようにそれを食べた。
「彼らは腹ペコです。あなたのような脂肪にまみれた消化に悪そうな体も彼らなら文句を言わずに食してくれるでしょう。ですが、その趣味の悪い服やアクセサリーは彼らは好みませんから、私が処分いたしましょう」
善一は着ているスーツのポケットから鋏を取り出すと男の前でパチリと鋏の刃を一度開いて閉じた。
「暴れないでくださいね。暴れると斬らなくてはいいものまできってしまいますから」
微笑みながら言い、男の服に手をかけると引き千切るように一気に下へと引っ張った。
ビリビリと簡単に破れたシャツに鋏をいれると男の体から布を剥ぎ取った。
脂肪のついた白い腹がズボンのベルトの上に乗っかっている。
善一はベルトを手で外し、ズボンを下げるためにボタンを外そうと手をかけた。
だが、男は抵抗をするかのように足を揺らして蹴ろうとしていた。
善一はズボン越しに男の陰嚢を右手でグッと掴まえた。
「抵抗はしない方がいいと言ったはず。私の右手が真っ赤に染まるのをみたいか?」
男はへの字に曲げた口から涎を垂らし泣きながら首を横に振った。
「お願いだからだ、たす、け…て…ください」
嗚咽を漏らしなが泣く男は既に、逆らう威勢など消え失せていた。
だが、善一はそんな男を見てもなにも感じるどころか、不愉快にしか感じなかった。
大人しくなった男のズボンと下着を落とし、全裸にさせると先程、指先を切り落としたニッパを耳元に近付けた。
ヒィッ!と怯える男に"動くと危ないですよ"とだけ言うと、着けているピアスをニッパの先端で切り落とした。
「あなたは今まで人への迷惑を考えて生きてきたことはありますか?イラつけば相手を力で捩じ伏せ、注意をされれば仕返しをしなければ気が収まらない。
あなたの事を少し調べさせてもらいました、狩野聖治さん。
少し調子に乗りすぎたようですね、あなたにとってはいつもと変わらないことのようですが、桐山家を相手にするとは運が悪かったのですよ。いつまでも自分の天下が続くとは限らないのですよ、今回のようにね」
「だっだれにも言わないから…ゆる、ゆるじでくだぃ」
「残念ですが、それは無理なお願いです。あなたは少々世間を舐めすぎたのです。もし、このような目に遭わなければあなたは、これから先も同じことを繰り返していたのですから。もっと早くに気付くべきでしたね。できれば我々に関わる前に」
善一は男から離れると再び天井から伸びる四角い装置に手をかけた。
「あなたは、少々悪ふざけが過ぎましたね。由良様に手を触れるとは……」
そう言うと善一は男の足元にしゃがみこんだ。
男はロープを掴むことに精一杯で下を見る余裕などなかったが少しもの抵抗か、善一を遠ざけようと足を動かして蹴ろうと必死になった。
だが、そんなことは何の悪足掻きか。
何の前触れもなく、右足の親指に激痛が走った。
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
耳を塞ぎたくなるような大声がプールの周りに響いた。
男は右手を離し左手首だけで支えられている状態になりながらもジタバタと足を動かしながら叫び続けた。
親指を半分ほど、切り取られた足からはパタパタと血が垂れて散らばる。
暴れる足から流れ出る血液はアクリル板の上やプールの中へと落ちてゆく。
男の血に反応したピラニア達は一気に集まり水飛沫をあげて群がった。
まだ落ちてこない獲物に早くありつきたいと言わんばかりに仲間の体を乗り上げて水面から飛び出る威勢のいいのもいる。
善一が既に体から離された一部を爪先でプールに小突き落とした途端、ピラニア達は奪い合うようにそれを食べた。
「彼らは腹ペコです。あなたのような脂肪にまみれた消化に悪そうな体も彼らなら文句を言わずに食してくれるでしょう。ですが、その趣味の悪い服やアクセサリーは彼らは好みませんから、私が処分いたしましょう」
善一は着ているスーツのポケットから鋏を取り出すと男の前でパチリと鋏の刃を一度開いて閉じた。
「暴れないでくださいね。暴れると斬らなくてはいいものまできってしまいますから」
微笑みながら言い、男の服に手をかけると引き千切るように一気に下へと引っ張った。
ビリビリと簡単に破れたシャツに鋏をいれると男の体から布を剥ぎ取った。
脂肪のついた白い腹がズボンのベルトの上に乗っかっている。
善一はベルトを手で外し、ズボンを下げるためにボタンを外そうと手をかけた。
だが、男は抵抗をするかのように足を揺らして蹴ろうとしていた。
善一はズボン越しに男の陰嚢を右手でグッと掴まえた。
「抵抗はしない方がいいと言ったはず。私の右手が真っ赤に染まるのをみたいか?」
男はへの字に曲げた口から涎を垂らし泣きながら首を横に振った。
「お願いだからだ、たす、け…て…ください」
嗚咽を漏らしなが泣く男は既に、逆らう威勢など消え失せていた。
だが、善一はそんな男を見てもなにも感じるどころか、不愉快にしか感じなかった。
大人しくなった男のズボンと下着を落とし、全裸にさせると先程、指先を切り落としたニッパを耳元に近付けた。
ヒィッ!と怯える男に"動くと危ないですよ"とだけ言うと、着けているピアスをニッパの先端で切り落とした。
「あなたは今まで人への迷惑を考えて生きてきたことはありますか?イラつけば相手を力で捩じ伏せ、注意をされれば仕返しをしなければ気が収まらない。
あなたの事を少し調べさせてもらいました、狩野聖治さん。
少し調子に乗りすぎたようですね、あなたにとってはいつもと変わらないことのようですが、桐山家を相手にするとは運が悪かったのですよ。いつまでも自分の天下が続くとは限らないのですよ、今回のようにね」
「だっだれにも言わないから…ゆる、ゆるじでくだぃ」
「残念ですが、それは無理なお願いです。あなたは少々世間を舐めすぎたのです。もし、このような目に遭わなければあなたは、これから先も同じことを繰り返していたのですから。もっと早くに気付くべきでしたね。できれば我々に関わる前に」
善一は男から離れると再び天井から伸びる四角い装置に手をかけた。