ジャスティス
小さいトレーに先ほど買ってきたケーキを1つとハーブティーの入ったカップを乗せると部屋を出た。

玄関から右側の通路だけでキッチンを合わせて4つの部屋がある。

由良は一番奥まで進むと左のドアを開けた。

部屋に入り窓側に置かれたパソコンの横のスペースにトレーを置くとパソコンの前の椅子に腰掛けた。

パソコンの電源を入れて立ち上げると、パスワードを入力する画面に切り替わり、パスワードを入力すると画面いっぱいにオッドアイの白猫が映し出された。



マウスを操作し、画面をクリックすると再びパスワードを入力する画面が表示された。

パスワードを入力するとOKの文字を押した。

再び画面が切り替わり、そこには数人の名前が表示されている。

一番上の名前をクリックするとハーブティーのカップに口をつけた。







「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」



耳を塞ぎたくなるような叫び声と水を叩くような音がパソコンのスピーカーから聞こえる。



「やめっ、やだっ、うわぁ、助けてくれぇ!!」



パソコンの画面には、男が裸で水の中を暴れまわっている映像が流れている。

男の体は所々、赤く血が滲み出ている。

由良はパソコンの画面を見ながらハーブティーを飲みケーキを食べた。

泣き叫ぶ男の映像から目を離すと窓の向こうの景色を眺めながら、少しだけ丸みを帯びたお腹をゆっくりと撫でた。



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