ジャスティス
ターゲット
１ヶ月ほど前ーーーー






桐山一家が住んでいる場所とは別に近くに空き地がある。

木の杭が等間隔で打たれ簡単にロープで繋いであるだけの簡単な柵。

私有地につき進入禁止の看板が掲示されていたが、車が一台入れるほどの入口からは子供達が入って遊び場に使ったり、近所の人から頼まれれば快く駐車なども許可をしていた。



ある日から毎晩、同じ車が無断で駐車をするようになった。

大音量で曲を鳴らし、時には夜中に車が数台集まり曲をかけたまま大きな声で談笑することもあった。

近所から連絡があり警察に連絡し、その場は収まったが次の日、父に言われ由良が見に行くと常習的に停まっている白色のワンボックスの車が悪びれる様子もなく当たり前に駐車されていた。

由良と使用人が車からおり、その車に近づくと運転席の窓を開け、大きな声で笑いながら電話をしている男がいた。

由良は運転席の横に立つと男が怪訝な顔をするのと同時に口を開いた。



「ここは家の敷地内です。駐車の許可は出していません、直ちに出ていきなさい」



「ッチ、うるせーな！」



当たり前の事を言われたにも関わらず、由良を睨み付ける男。

由良は動じることなく、続けて言った。



「出ていかなければ警察に連絡します」



男は電話の相手に、後でかけ直すと言うとスマホを助手席にポンと投げた。

男は由良を睨みながら窓を閉めた。

由良はそれ以上はなにも言わず、使用人と自分達が乗ってきた車に戻っていった。

車に乗り込むと、使用人は由良を心配そうに見た。



「大丈夫ですか？」



「大丈夫。あとはカメラで確認して様子を見ればいいから、帰ろう」



使用人は由良がシートベルトをかけるのを確認すると車を走らせた。









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