農民生まれの魔女

プロローグ

昔あるところに、一人の魔女がいました


その魔女は一人じゃ寂しいからと、男の魔法使いを作りました


長い年月一緒にいたので、魔女は男の魔法使いに恋をしてしまったのです


ですが男の魔法使いは母親同然の魔女に恋などできるはずもありませんでした

叶わぬ恋に狂ってしまった魔女は、男の魔法使いに、殺してくれと言いました


ですがこの世界の創作者である魔女は、誰にも殺すことはできません



だから魔女は毎日毎日願いました


でもある日あの男の魔法使いが言いました

私は歳をとりました、もうじき死ぬでしょう

だからこの短い命と引き換えに、今のあなたの記憶と肉体を殺しましょう

ですが完全に消すことはできません