農民生まれの魔女
私が運ばれる所に出くわしたアレンが
顔を真っ青にしている
「イヴッ、イヴッー 死なないでくれぇ
僕を置いて行くな!」
イヴは冷や汗が止まらなかった
それはアレンが無駄に事を大きくしている
せいだ
号泣状態で先生達に抱えられながら
狸寝入りを決め込んでいる私に
抱き付いて居ると
私がまるで重病人みたいじゃないか
私は違う意味で頭を痛くしながら
医務室へ運ばれた
「うんーと、悪い所は特に…」
「先生もっとしっかり探して下さい!」
アレンの言葉に先生は自分の腕に
自信を失いつつも良く見てくれたと思う
「ベッドで安静にしていて下さい」
先生は最終的にそういう結論に辿り着いた
私はチャンスとばかりにスッと
それはもう魔法を使ったのかぐらいの
スピードでアレンの腕を掴んで引き込み
カーテンを閉めた
「うぁ、イ、イヴ!大丈夫か」
まだ私の事を重病人だと思い込んでいる
マヌケなアレンに私は真実を告げた