農民生まれの魔女
イヴは目を閉じて、中指の神経の一本に
意識を集中させた
この方法が出来るとは思えないけど
私は魔法が使いたい
辺りはしんと空気が張り詰めている
皆イヴがしようとしている事を理解していないのだろうか、イヴから発せられる鋭い雰囲気に
誰も口を出さない
そしてイヴはくわっと目を開けて
一点に力を放った
「はっ!まさかイヴちゃん、駄目だ今すぐ止めるんだ」
真っ先に気付いたケイトは、急いでイヴを
止めようとした
しかしその声はイヴに届かない
そうこうしているうちにイヴの周り空気が
震えて来た
「くそっ!」
ケイトが魔法を使うが見えない何かに
遮られる
そしてこの図書館は爆発した
激しくコンクリートの壁を吹き飛ばし
大きな音を立てて崩れ落ちた
ケイトは爆発する時咄嗟に結界を張った
から無傷で済んだ
幸運にも図書館にはイヴとケイトの
二人しか居なかった
「イヴちゃん大丈夫!」
ケイトは倒れているイヴを見て
最悪の事態が頭をよぎった