農民生まれの魔女
「アレンだよ」
「ア…レン?」
アレンの名前を聞くとイヴの目に安堵の色が
浮かんだ
「どうしたんだ、とてもうなされていたぞ
怖い夢でも見たのか?」
アレンは自室の棚にあったティーカップ
に紅茶を注ぎ
それに蜂蜜を少しばかり入れ、かき混ぜた
「いいえ、覚えていないけど、とっても素敵な夢だったわ、ほわほわしてて気持ちよかった
誰かに頭を撫でられている様な感じで」
イヴはアレンから受け取った紅茶を
小鳥の様にちびちびと飲んだ
「じゃあよかった」
アレンが安心したように微笑んだ
「アレン、運んで来てくれてありがとう
大変だったでしょう」
アレンは言葉に詰まった
「………それが、違うんだ
今日はめずらしく用事が無くて早く部屋に戻れたんだ
それになんか早く戻らなければならない気がして、そして戻ってみればイヴが寝てて
最初は驚いたよ、とても気分が悪そうに見えたからね」