農民生まれの魔女
ロイは昨日のことなど無かったような
爽やか美男子になっている

昨日のことが無かったら私も舞い上がっていたかも
まさかこんなド変態だったなんて

「どお、私の魔物はしっかり役目を果たしているかな?」

イヴは片眉をピクリとさせた

なんで知っているの、この人

「な、なんのことかしら」
イヴは焦って声が上ずってしまった

周りの目線が集まる中、このままじゃあ
魔物が自分の中にいることが
クラス中に知れ渡るということを危惧
してイヴはシラを切った

「サボってるのかな?ねぇ、アモン」
ロイは口を私の耳に近づけて囁いた
その声は私に対して言った言葉では無いのに、身体全体に悪感が走り抜けた
そして次の言葉を言おうとしたとき

「私、ちょっと用があるから」
無理な言い訳をして、走ってこの場を去った

そして真っ先に女子トイレに駆け込んだ
個室のドアを閉め、胸にてを当て一息つく

「どどど、どうなってるの!」
溜め込んだ気持ちが個室で爆破する

今まで隠してきた意味がなくなるじゃない!




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