農民生まれの魔女
「おはようイヴ、どうしたのそんな
昨日身内が死んだような顔して」
レムは教室に入ってすぐにイヴの異変に気がついた

「レム〜〜もう私の心は死んでしまった
よ、朝からほんと散々だったんだから」
イヴはレムに気がつくとそのまま泣きついた

遡る事早朝
自分部屋のドアをあけたら
その異変に気がついた

ドアにはひどい罵倒の数々が
カラフルに彩られている

「何じゃこりゃあーー」
昨日までつるつるピカピカのドアだったのに、あまりの変わりようだ
一瞬ここが自分の部屋だった事を
忘れかけてしまうほど

まさかと思ってドアを開けると
やっぱり自分の部屋だった

「うるさい」
隣の先輩が、一枚ドアを挟んだ向こう側から言ってきた

先輩とはあまり話した事がなく
顔すらほとんど見た事がない

「一体何なのこれ」
イヴは汚れたドアを強力な洗剤で
ゴシゴシと擦る

皿にベトベトに付いた油汚れより
しつこい汚れはなかなか落ちてくれない
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