農民生まれの魔女
イヴがドアの汚れを落とすのにかかった時間は約一時間だった

学校にはギリギリ間に合うぐらいの時間だ
だからいつもより朝食を削った
それがまたキツかった
食べ物を欲しているお腹は
食べ物を求めて雛鳥のように唸っている

相当なダメージを受けているなか
大勢の人に囲まれた

「な、何ですか……?」

学年、性別から見て、まったく接点が無さそうな男女が揃いも揃って私に何の用だろう

イヴはその威圧感に少し後ずさった

「あなたね、昨日レオナルド様と一緒に
お食事をなさっていたっていう子は」

一番先頭の女生徒が、怒り心頭という感じで話してきた

「あ、いちおうそうです」
半ば無理矢理という感じで連れて行かれたわけだが……

イヴが答えると怒りでその女生徒の髪がピリピリしてきた
今すぐにでも雷が落ちそうだ

「あんたみたいな何も取り柄のなさそうな地味子が学校の星レオナルド様に
近づいていいと思ってんの!?」
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