俺様副社長のターゲット
「本当、煌太、変わった。」



前はこんなに着信やメッセージはなかった。最近の煌太はまるで私を監視しているみたいだ。



「もっと信頼してよ。」



私の呟きが静かな部屋に吐き出された。そう、煌太は私を信頼してない。


私は携帯を充電し、布団に入って目を閉じた。すぐに訪れる眠りに落ちていった。



ピロピロ………、ピロピロ…………。



「ん?」


「朱里、すぐに電話にでろ。今、家か?」


「当たり前でしょ。煌太、何?」


「家にいるか確かめただけだ。明日、俺のマンションに来いよ。」


「今、何時?」


「6時だ。じゃあな。」



煌太の携帯が切れた。私は眠い体を起こして背伸びをした。早くにリビングに下りて行けば、両親が驚いている。


私が自分で早く起きる事はないからだ。私は早めに用意して出社した。



「今日は早いね、松井さん。」



秘書課に入れば、賢人がすでに仕事をしていた。私は挨拶をすると早めに業務に取り掛かった。
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