俺様副社長のターゲット

「「「お疲れ様でした！」」」



海外事業部の掛け声でガヤガヤと騒がしくなる。私も副社長の隣でチューハイを飲む。



「副社長、松井さん、今日はありがとうございます。」



幹事らしい海外事業部の佐藤さんが声を掛けてきた。私は軽くお辞儀をした。



「こちらこそ、悪いね。私達には気を使わないで飲もう。」


「ははっ、副社長は意外と気さくな方なんですね。」


「俺はどう見えてた？」


「冷たい感じの方かと………。あっ、失礼しました。」



佐藤さんが副社長に頭を下げている。私は副社長の隣でクスクスと笑った。



「松井さんもクールビューティーなイメージで。笑われると可愛らしい方なんですね。」


「ふふっ、褒めても何もでませんよ。」


「いやいや、本当です。」



気さくな佐藤さんが副社長と私と会話を弾ませる。



「副社長が来ると聞いて、女子社員は化粧直しに忙しそうでしたよ。副社長はモテるから。」