俺様副社長のターゲット
「佐藤さんだけ狡い。副社長、私もビールで宜しいですか?」


「ああ、ありがとう。」



佐藤さんと話していれば、海外事業部の女子社員が集まってきた。


ビール瓶を片手に副社長にお酌をしている。



「松井さん、こっちにも来てください。」



私も離れた席に座っている男性社員から声を掛けられた。私は目の前にあるグラスを持ち、席を移動した。


チラリと副社長を見れば、あっという間に女子社員に囲まれている。


私は呼ばれた席に腰を下ろした。



「お疲れ様でした!」



本日、二度目となる乾杯。私はグラスを周りの方と合わせた。



「松井さんは4月からだよね?いくつなの?」


「えっ?若くないですよ。」


「いくつ?結構、皆気になってるんだよ。ほら、新入社員で入ってきてないから。」


「25です。今年で26になります。」


「若いじゃないですか。」



私の歳で盛り上がる社員に苦笑いしかでない。
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