俺様副社長のターゲット

今彼は普通

あの日以降、私のS&Tでの仕事は引き継ぎとなった。


と言っても私は社会人4年目になったばかりで、社長の第2秘書だ。


先輩が第1秘書を勤めているため、引き継ぎも先輩に引き継ぐだけだ。



「松井さん、昇進よね?佐伯商事の副社長秘書でしょ?」


「はい。」


「凄いわね?でも松井さんなら大丈夫よね?だって頑張り屋さんだから。」


「…………頑張ります。」



にっこりと微笑む第1秘書の先輩。昔なら尚輝の側で働くようになれば妬まれたに違いない。



「先輩はモテる男と付き合った事あります?」


「何?それって本社の副社長?」


「みたいなです。見た目はいい男だから。」



クスクスと笑う先輩に視線を向けた。



「松井さんは美人だから、過去に痛い経験でもした?」


「まあ………。」
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