俺様副社長のターゲット
「彼氏は?」


「いますよ。」



質問攻めに素直に答えていく。



「いるんだ。」


「はい。」


「あっ、お代わりする?」


「はい、頂きます。」



グラスが空になると空かさず注文をしてくれた。



「でも俺、聞いたんだよね?」



隣に座る佐藤をチラリと見て首を傾げた。



「上手くいってない感じに聞こえたけど?だって喧嘩してたっぽいから。」


「…………。」



そう言えば、佐藤さんに声を掛けられた時、煌太と言い合ってたんだ。



「結構、バッサリと言うんだなぁ~って思ったし。」


「内緒です。」


「やっぱり喧嘩してたんだ。」



クスクスと笑う佐藤さんの声にグビグビとアルコールを飲んだ。



「彼氏の話はいいや。松井さんは副社長と仲が良いの?」



話題を変えてきた社員に視線を向けた。ニヤニヤと見てくる彼に眉間の皺を寄せた。
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