俺様副社長のターゲット

決断

次の日、ベッドに置いた携帯の音で目が覚めた。眠気眼で携帯を押す。



「もしもし。」


「朱里、何時に来る?」


「ん~、今、何時?」


「9時。」



朝から煌太の不機嫌な声に気持ちが沈む。



「もう少し寝てもいい?昨日、寝たのが遅かったから。」


「はあ?早く来い。」


「…………。」


「俺に会いたくない?」



最近、煌太から毎日のように聞く言葉にうんざりする。



「誰も会いたくないなんて言ってない。眠いからもう少し寝てから行くって言ってるだけでしょ。」


「はあ?何、逆ギレしてんだよ。」


「煌太が寝起きにギャーギャー言うからでしょ?」


「早く起きて来い。」


「もう~、わかった。用意するから切るね。」



最近、煌太とは電話しても喧嘩ばかりだ。前は煌太の優しい所が好きだったのに。



「はぁ~。」



溜め息を吐いて、私はベッドから起き上がった。
< 118 / 229 >

この作品をシェア

pagetop