俺様副社長のターゲット
「っで、挨拶はいつ行く?」



すでに決定事項のように話を進める煌太に恐怖を感じる。



『このまま煌太と結婚して良い?』


『煌太は好きだけど………結婚?』



予期していない現実に思考回路が停止する。



「煌太、ごめん、考えさせて。」


「考える?俺達、もう3年だ。今更考えなくてもいいだろ。」


「いやいや、今までは現実的じゃなかったし、急な事でパニクってるの。」


「はあ?俺達、もう26だし、結婚とかも考える歳だろ?」



煌太の勢いに押し黙った。煌太が私を抱き寄せる。



「朱里、結婚しよう。」


「…………。」


「返事は?」


「少し考えさせて。」



私はその場で返事は出来なかった。


最近の私達は喧嘩ばかりだし、煌太の行動にも恐怖を感じる時がある。


このまま流されたら駄目な気がした。



「ごめん、少し考えさせて。」



私は煌太に抱き締められたまま答えを返した。
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