俺様副社長のターゲット
昼休みに煌太にはメッセージを送信したが、既読にはなったが返信はない。


私は気にすることなく、一日の業務を終えた。朝、副社長からは夕食での会食に同席をするように言われている。


私は時間になると副社長室に向かった。



「副社長、お時間です。」


「ああ、わかった。今日の会食は長年付き合いのある会社だ。松井を紹介しておこうと思って。」


「はい。車は回してありますので。」



私は副社長の後に続いてロビーに下りて行く。社員の視線が気になるが今は仕事で一緒にいる。



「朱里。」



聞きなれた声に視線を向ければ、煌太がロビーに立っている。私は目を見開いた。



「何で？」



近付いてくる煌太に動けなくなった。副社長も私の前で立ち止まっている。



「煌太、何で？」


「副社長とお出掛けか？」


「仕事で。」


「はっ、本当かよ。浮気してんじゃないのか？」


「はあ？」



煌太の睨みが突き刺さり、私の腕を掴もうと手が伸びてきたが、その手を副社長が掴んだ。
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