俺様副社長のターゲット
「悪いが、急いでる。松井、行くぞ。」


「はい。煌太、ごめん、仕事なの。」


「人の女を奪うような男が副社長なんてして良いのか？」



煌太の低い声がロビーに響いた。ざわつくロビーに視線を向ければ、社員が私達を見ている。


私は副社長に視線を向ければ、気にすることなく歩きだそうとしている。



「はっ、反論もできないのかよ。」



煌太の言葉に副社長の足が止まった。私は二人を固唾を呑んで見つめた。



「悪いが、そんな挑発には乗らない。松井には一切手は出してない。時間だから行く。君も社会人の常識って言うものを考えなさい。」


「なっ！」


「松井、遅れる。行くぞ。」



副社長の凛とした態度に私は大きく頷いた。煌太が私を睨んでいるが、私は副社長の後を追った。


待たせてある車に副社長と乗り込む。私は大きく深呼吸をした。
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