俺様副社長のターゲット
あの日から煌太の行動は大人しくなったが、あの日の光景を見た社員から私と副社長の噂が流れだした。


噂が流れて数日、私の心は憂鬱になってきた。



「副社長とデキてるらしいわよ?」


「副社長が奪ったみたいよ。美人は得よね?私達なんて見向きもされないのに。」


「副社長も見た目に騙されてるのよ。」



聞こえてくる噂に頭が痛くなる。私は秘書課の自分の席で溜め息を零した。



「松井さん、気にしない事よ。根も葉もない噂でしょ?」



隣の席の峰岸さんの声に顔を向けた。



「そうよ。まあ、副社長は本気だろうけど。彼氏も嫌な奴ね?会社のロビーで揉めなくても。」



前の席に座る真央がしかめっ面で私に話しかける。



「峰岸さんもそう思いません?会社のロビーで揉めるってどうなんです?」


「社会人としてどうかしらね?」



私は二人の話に溜め息を吐いた。
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