俺様副社長のターゲット

「気にするな、朱里。俺は大丈夫だし、会社も平気だから。」


「ごめんなさい。迷惑を掛けて。」


「気にするな。まあ、暫くは賢人の下で秘書の腕を磨け。アイツ、ああ見えて凄い奴だから。」


「はい。」



私はお辞儀をして副社長室を出た。廊下に出れば、盛大な溜め息を吐いた。



「はぁ～。」



私は気持ちを切り替えて秘書室に戻り、賢人に頭を下げれば『気にするな。』と優しい言葉を掛けられた。


私は煌太と会うことも連絡もすることもなく、静かな日々を過ごしていた。賢人の秘書としての仕事を間近で見て仕事を覚えていった。



「最近、彼氏とはどうなの？尚輝が心配してた。」



賢人の言葉に視線を向ければクスクスと笑っている。