俺様副社長のターゲット
「真純?」



部屋には煌太と真純がいた。私は驚きに動けないでいた。



「何で真純が?」


「いや…………ほら、仕事の資料を届け…………。」


「煌太と寝たの。朱里、もう煌太を解放して。」



煌太の挙動不審な言葉に被せて真純が言った。私は唖然と二人を見た。



「真純?」


「もう煌太を解放して。朱里と付き合っても煌太は幸せになれない。この2週間、煌太にも会わずに朱里はどうしてた?」


「…………。」


「煌太、仕事も上手く打ち込めないし。上司からは朱里の上司と揉めた事で怒られるし。散々なの!」



真純が怒鳴った。



「朱里、もう煌太を解放して。朱里の傍にいても煌太は幸せそうじゃない。」


「解放………?」


「ボロボロになっていく煌太は見たくない!朱里のせいだから!」


「私のせい?」


「真純、止めろ!俺は朱里と別れない。」



怒鳴る煌太を真純は涙を溜めて見上げている。
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