俺様副社長のターゲット
「急ぎ?迎えに来る?」



どうやら副社長が煌太の家に迎えに来ると言っているみたいだ。煌太が押し黙っている。



「本当に仕事か?」



煌太が低い声で尚輝の電話に答えている。どうやら休日の呼び出しに疑っているようだ。



「わかった、朱里に変わる。」



煌太が私に携帯を渡して私の上から退いた。私は痛い背中を我慢して起き上がった。



「迎えに行く。どこだ?」


「いえ、会社に行けば?」


「いいから言え。どこだ?」



私はチラリと煌太を見上げれば、疑いの目を私に向けている。私は素直に住所を告げれば、すぐに携帯を切られた。



「本当に仕事か?」


「みたい。私は行くから。」


「待て、朱里。」



煌太の低い声に後ろに振り返って煌太を見上げた。



「別れないからな、俺は。」



私は煌太から真純に視線を向ければ睨まれている。少し前まで親友のように仲良くしていたのが嘘のようだ。真純は煌太が好きなんだろうか?
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