俺様副社長のターゲット
「ごめん、煌太。でも煌太の想いは私には重すぎた。」


「朱里、酷い。煌太の想いが重すぎるなんて。ねぇ?陽輝さんもそう思いますよね?」



真純が陽輝の腕に手を絡ませて、上目遣いで聞いている。



「悪いけど、朱里さんが正解だと思うよ。相手の想いが重すぎると嫌になるもんなんだよ。俺はわかるな、朱里さんの気持ち。」


「陽輝さん、酷い。」



真純が陽輝の言葉にクスクスと笑い、軽く肩を叩いてる。


陽輝が真純の手を払い席を立った。真純が驚いたように陽輝を見た。



「俺さ、思ってたんだよね。朱里さんとアンタは釣り合わないって。」


「はあ?」


「大事にしてないじゃん。朱里さんの気持ちも考えられない奴には勿体無いだろ?だって朱里さんは兄貴がずっと想ってきた女だし。」


「兄貴?」


「俺、佐伯陽輝。副社長の弟。兄貴が誰を好きなのかなんて知ってた。ずっと机に写真が飾ってあったから。」



陽輝の言葉に目を見開いた。
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