俺様副社長のターゲット
「あっ、そう言えば夏休み、一緒に遊びに行かない?」


「…………はあ?」



陽輝の言葉に目が点になった。



「夏休み?」


「そうそう。一緒に取って遊びに行かない?」


「…………。」


「予定でもあるの?」


「ない。」


「なら、遊びに行こ。暇だろ?」



ニヤリとする陽輝に溜め息を吐いた。



「何か企んでる?」


「あっ、分かる?」


「わかります、その顔を見れば。」



私は陽輝と二人で毎朝のように出社する。初めは噂の的だったが、副社長の教えの通り、堂々としていれば直ぐに噂も消えた。



「兄貴も一緒の時期に休みを取るだろ?出掛けようぜ、皆で。」


「皆?」


「そっ、賢人さんも誘って。秘書課の友達でも誘えば?ほら、仲良しの………。」


「真央?」


「そっ、皆で。」


「考えておく。」



確かに予定はない。だけど………



『皆で出掛ける?』



私は陽輝と会社に向かった。
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