俺様副社長のターゲット
「陽輝も佐伯の人間だ。普通の社員とは違う。この先、この会社を一緒に背負っていく人間なんだ。」



尚輝の言葉に足を止めて振り向いた。鋭い視線を向ける尚輝は経営者の風格を漂わせている。



「厳しすぎるぐらいが丁度いいんだ。それぐらいしないと会社を背負う人間にはなれない。」


「………すみませんでした。余計な口を出しました。私は秘書室に戻っています。」


「俺は今の陽輝以上に仕事をしてきた。大学に在学中も父の下で経営を学び、入社後は佐伯の名に恥じないように仕事をしてきた。」


「副社長?」


「陽輝にも背負っていく義務があるんだ。厳しすぎるかもしれないが期待をしているからこそなんだ。」



私をじっと見つめる副社長の瞳を見つめ返す。



「陽輝には期待してる。だから厳しすぎるかもしれない。」


「…………はい。資料を急がせますか?」


「いや、明日の朝一に頼む。それと今後は早めに作成するように伝えてくれ。」
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