俺様副社長のターゲット
結局、居酒屋に入る。私と煌太は向き合ってお酒を飲む。



「副社長と知り合いなんだな?」


「まあ。」


「元彼?」



煌太が真っ直ぐに私を見つめる。私は大きな溜め息を吐いた。



「高校時代の。」


「高校時代?結構、昔だな。」


「そう。」


「より戻すとかないよな?」



煌太の小さな声が聞こえてきた。



「副社長が相手だと勝ち目なさそう。」


「ないよ。私は穏やに付き合えればいい。煌太となら二人で手を繋いで歩いても、二人でロビーで待ち合わせても誰も気にしない。」


「朱里、何気に酷くない?」


「ごめん。でも、私はそれがいいの。」


「………そうか。浮気するなよ?」


「煌太こそ。」



目の前に座る煌太と笑いながら楽しくお酒を飲む。
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