俺様副社長のターゲット
「何よ?」


「鈍感。」


「はあ?」



尚輝が車に向かって歩きだした。私も尚輝に駆け寄った。



「楽しい方ですね、悠木さん。」


「ああ。惚れるなよ?」


「…………誤解してません?私は惚れやすい性格じゃありません。」


「ふ~ん、そうなのか?」


「そうです。」



尚輝の車に乗り込む。運転席には尚輝が乗り込んだ。



「朱里、気持ち良さそうだな?」


「へっ?」


「上司の俺はジュースで、部下のお前がアルコールとはな。」



愚痴を溢す尚輝にクスクスと笑った。



「車で来るからです。」


「朱里が運転しろ。俺は飲みたかった。」


「無理ですよ、ペーパーなんです。」


「なら、尚更、運転しろ。」



愚痴を溢しながら車を運転する尚輝をクスリと笑った。



「必要なら練習します。」


「必要だ。」



よっぽど一人だけ飲めなかったのが悔しいのか、ブツブツと言っている。
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