俺様副社長のターゲット
会社に戻り、二人で15階を目指す。



「俺は二人で過ごすつもりだった。」


「陽輝くんに言ってよ。私はどちらでも構わないから。」


「………行く場所は絶対に被るな。」


「えっ?」



チラリと尚輝を見上げる。



「どうせ別荘だろ。はぁ~。」


「別荘?」


「多分な。」


「凄いんだね………。」



私は感心して尚輝を見つめていれば、秘書室の階にエレベーターが止まった。



「では副社長、失礼します。」



軽くお辞儀をして降りようとした腕を掴まれた。その間に扉が閉まっていく。



「ちょっと。」


「俺の部屋に来い。」


「………仕事だよね?」


「………ああ。」



微妙な間に疑わしい瞳を向けた。


副社長室のある階で降り、私達は副社長室に向かった。



「これを海外事業部の佐々木課長に渡してくれ。」



部屋に入るなり、デスクから資料を渡された。
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