俺様副社長のターゲット
振り返った尚輝が私のもう片方の手を繋ぐ。目の前に立つ尚輝と両手を繋いだ。



「尚輝?」


「朱里、言っただろ?ここから始めようって。」


「………。」


「朱里、ここから始めよう。」



ここは私達が別れた場所だ。そして数ヵ月前に来た時は尚輝の告白を断った場所だ。



「もう一度、ここで朱里に言うよ。」


「尚輝?」


「朱里、俺が守ってやる。俺を信じて、今度こそ、朱里と二人で幸せになりたい。」


「尚輝………。」


「俺と付き合ってくれ。勿論、この先ずっと一緒にいる為に。」



尚輝の言葉に小さく頷いた。



「うん、一緒にいたい。今度は尚輝を信じてみようと思う。信じきれなかった私でもいい?」


「当たり前だ。俺は何度も言ってる。朱里と一緒にいたいって。」


「尚輝、こちらこそ宜しくお願いします。」



私は軽く頭を下げれば、両手が離され、尚輝に抱き締められた。
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