俺様副社長のターゲット
「副社長の恋人って噂だけど……想像通りの美人ね?」



「二人で一緒に入ってきた時は美男美女に声が出なかったわよ。」



「これから宜しくね?松井さん。」



「松井さん、宜しくね。」



綺麗な女性の方々がにっこりと微笑んでいる。私ももう一度深く頭を下げた。



「これから宜しくお願い致します。」



「っで、否定されないって事は恋人って事かしら?」



下げていた頭を思いっきり上げて横に首を振った。



「全然違います!副社長は高校時代の先輩で、恋人とかでは決してありません。」



「あら?そうなの?お似合いなのに。」



「違います!本当に違いますから。」



「そう?てっきり副社長が指名するから……。高校時代の先輩後輩なのね。」



「はい。」



私は大きく頷いた。見渡せば、女性と男性の割合は女性が多いようだ。



ここで女性先輩達に睨まれたら困る。また二の舞にでもなれば、私はこの会社を辞めなくてはならなくなるかもしれない。
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