俺様副社長のターゲット
「っで、松井さんは?彼氏は?」



「えっ?」



「そんだけ美人だからいるよね?」



私は伊藤さんから目を周りに向けた。何故か滅茶苦茶見られている。




「フリーなの?だったら合コン誘うけど?」



「合コン…………。」



「あれ?ない?」



「……まあ。」



「嘘?じゃあ、今度…………。」



「ううん、彼氏はいるから。」



私は横に首を振って答えた。



「普通のな。」



尚輝の声に目の前に座る尚輝を睨んだ。




「ごく普通の男だ。」



「…………。」



「朱里は無理して好きになろうとしてる。」



「無理して?そんな事はない。」



目の前に座る尚輝とお互い鋭い視線を向けあっている。静まり返る座敷に構わず尚輝は言葉を続ける。



「『普通の男がいい。』そうやって無理して普通の男を選んでんだろ?」



「無理なんてしてない。ちゃんと好きだから付き合ってる。」
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