俺様副社長のターゲット
私はハッとして視線を周りに向けた。好奇な視線が私達を交互に見ている。



「いや、あの、違う………んです。」



「違わないだろ。昔、付き合ってたのは事実だろうが。」



「なっ!尚輝先輩!」



「俺は知ってたけどね。」



佐伯課長に視線を向ければ、ニヤニヤと私達を交互に見ている。



「今は尚輝先輩とは関係ないですから。彼氏は別にいます。」



「松井さん、副社長の元カノなんだ。」



皆が好奇な視線を向けている。



「昔です。」



「俺は今でも好きだけど。」



騒がしかった部屋が尚輝の一言で静まり返る。私は目を開いて尚輝を見た。




「嘘、副社長、社内恋愛はしないんじゃ。」



「コイツは別。」



「尚輝先輩!」




私は尚輝に大きな声をだした。笑っていた尚輝の顔が真剣な顔に変わる。



「私はもう尚輝先輩とは絶対に付き合いません。2度とあんな想いは………。」



「俺、言ったよな?」
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