俺様副社長のターゲット

波乱の幕開け

大きく深呼吸をして扉をノックする。



「どうぞ。」



聞こえてきた低い声にもう一度深呼吸した。



「失礼致します。」



扉を開けて中に入っていく。初めて入る副社長室は綺麗に整頓されている。



手前にはソファーが2つとその間にガラスのテーブルが置かれている。


一番奥には大きな机、そして高級そうな椅子には見慣れた人が座って私を見ている。




「コーヒーをお持ちしました。」



「ああ、そこに置いてくれ。」



「畏まりました。」



私はガラスのテーブルにコーヒーを置けば、尚輝がソファーに腰掛けた。




「話がある。座れ。」



「いえ、ここで……。」



「座れ。」




有無を言わせない声に私は静かに対面にあるソファーに腰掛けた。



目の前に座る尚輝がじっと私を見ている。私は背筋を伸ばして尚輝を見返した。
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