俺様副社長のターゲット
「当たり前です。副社長より上の方ですから。」



「………そのうち、俺が社長だ。」



「そうですか。頑張ってください。副社長、時間です。」



「チッ………ああ。」



扉を開けて尚輝を待つ。私は尚輝の後について会議に参加した。



「本日より副社長付きの秘書となりました、松井朱里です。宜しくお願い致します。」



会議の冒頭で尚輝に促され挨拶をした。本日、何回目の挨拶だか………。



会議中の尚輝は普段とは全然違った。英語も部下を纏める力も凄いと感じた。



高校の時も頭は良かった事を思い出した。顔も良く、スポーツも頭も………凄い先輩だったんだと。




「これで会議は終わる。指摘事項は再検討を頼む。」



「「「はい。」」」




私は尚輝について立ち上がった。




「松井さん、今度、海外事業部の飲み会に誘っても構わないですか？」




先程まで真剣に話していた会議室に明るい声が響いた。私はその彼に視線を向けた。
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