俺様副社長のターゲット
「やはり女性秘書はいいね。」


「………親父。」



社長の言葉に副社長が低い声をだした。それでも気にする事のない社長、副社長とエレベーターでロビーに下りていく。


ロビーを社長、副社長と歩けば注目度も違う。



「「「お疲れ様です。」」」



彼方此方から聞こえる挨拶に軽く返しながら二人が歩く。その後ろを私はついていく。



「社長、副社長とお出掛け?」


「さっき秘書課も帰って行ってたぞ。飲み会か?」


「いいな、秘書課とか。」


「社長、副社長と飲めるの?羨ましいわね、やっぱり秘書って特別よね?」



聞こえてくる声に私は体を強張らせる。周りを見れば、私たちを見る目が過去に被る。



『佐伯君と松井朱里よ。まあ、すぐに別れるわね。』


『佐伯君、サイクル早いからね?女の。』


『すぐに見なくなるわね、二人で一緒のところなんて。』
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