俺様副社長のターゲット
「迷惑を掛けたようだね?」


「迷惑?」


「さっきの君は怯えているように思えた。周りからの視線にね。」


「………。」


「高校時代のトラウマかね?それも尚輝のせいの。」


「尚輝先輩は関係………。」


「あるだろ?俺のせいだろ?」



隣の尚輝を見上げる。揺れる瞳に言葉を言い返せないでいた。



「俺のせいだ。」


「ちが………。」


「違わない。朱里は救ってくれなかった俺を許してない。今でもな。」


「…………。」



寂しそうな表情をする尚輝から視線を逸らした。



「どうしても尚輝といれば注目はされるだろう。いやでも噂や妬みは耳にする。これは佐伯に生まれた尚輝の宿命なんだ。」


「はい、そうですね。高校生の私にはその事が分からなかった。」


「若すぎたかもしれないね。それを知るには。」
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