俺様副社長のターゲット
「それでは松井朱里さんの歓迎会を始めたいと思います。松井さん、一言どうぞ。」



佐伯課長の音頭で始まった。私は席を立ち挨拶を始めた。



「突然、佐伯商事の秘書課に移動となり、始めはとても緊張しました。でもこの1週間過ごしてきて徐々に馴染め始めていると感じています。これからも宜しくお願い致します。」



頭を下げて挨拶をすれば、皆からは拍手が返ってきた。私は頭を上げて席に座った。


それからは皆で目の前に並べられた美味しそうな食事、ワインなどのアルコールを楽しんだ。



「副社長、最近の噂を知ってますか?」


「噂?」



前に座る伊藤さんが話し始めた。今日も可愛らしい伊藤さんは女子力が高そうだ。



「副社長が社内恋愛OKだって噂ですよ。」


「…………知らないな。」


「女子社員で噂になってます。ちなみに、松井さんもフリーなのか男性社員の噂ですよ。」



チラリと伊藤さんの視線が向けられ、にこりと微笑まれる。



「女子社員の副社長への関心が高まってますよ。」


「俺は気にしない。」



尚輝がアルコールをグビッと飲んだ。
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