俺様副社長のターゲット
『私はいい男とは付き合いたくない。』


『同じ事を繰り返す馬鹿な真似はしない。』



私はお酒を追加注文し、チラリと尚輝を見上げた。



「２度とあんな想いはしたくない。」



尚輝の瞳が揺れた。私は尚輝から視線を逸らした。



「松井さん。よっぽど嫌な思い出なんだね？ほら、まだ時間はあるし、明日は休みだし、飲もうよ。」


「うん、飲もう。」


大分、アルコールが回ってきた私はテンションが上がってきた。伊藤さんと話題を変えて会話が盛り上がる。



「私も副社長みたいに朱里って呼ぼうかな？」


「呼んで、呼んで。じゃあ、私は真央って呼ぼうかな？」


「ぜひ。朱里って飲むと普段と違うんだね。」


「ふふっ、言われる。」


「この後、カラオケ行きません？次、カラオケ行きたい人？」



伊藤さんもテンションが上がり、お開きになる歓迎会の二次会を提案している。
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